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「これはこれは、流石に目がお利きになられまする事で。それとのう探らせてはおりますが、おそらくは左様でございましょう」
「また細川殿と山名殿の良い道具にされておるのだろう」
「手の者を京周辺に撒いておりますが、聞こえて来るのは義政様と義視様の、あまり宜しく無いお噂ばかり」
「で、あろうな。祭りあげる神輿をころころと替える幕臣達に、父上もさぞ気苦労を重ねられておるのであろう」
この時期、足利義政の実子義尚、義政の弟義視の将軍後継争いを火種にして室町御所内は一触即発の状況に置かれていた。
後の世にいう『応仁・文明の大乱』前夜である。
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