京の都

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 京は荒れた。  だがおかしなことに町は焼かれ住民は戦乱に追い立てられてはいたのだが、当事者でもある武家は殆どその実害を被ってはいなかった。 重要人物が東西どちらも討たれる事が無かったのだ。 実に馬鹿げた内乱とも言える。  結局日本の首都が灰塵と化し、主な大名たちが自国に帰ると力をなくした中央の制御を外れ、各地に点在していた荘園・公家領などを強奪して益々中央の力を削ぐ事となり、結果、税の入る事が殆ど無くなった中央が廃れて地方の有力者が勃興し始めた。  これが戦国時代幕開けの端緒となったのである。
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