京の都

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 ふと目が覚めた。  障子に早朝特有の白い光が差し込んでいるところを見ると、空が白々と明け始めているのだろう。  室町風の枯山水を拵えた庭に、幾羽か雀が遊びに来たのか囀っている声が障子越しに聞こえてくる。  褥にうずくまった男は、両の腕を伸ばして大欠伸をした。ついで腕を下ろすと首を回し、寝疲れたのか両肩まで回し始めて節々を鳴らしている。 「奇妙な夢じゃのぅ」  そう言うと、鳴っていた節々が落ち着いたのか、再び目を閉じて夢を思い出そうとしている風情を見せた。  この日はいつもの目覚めと違い、妙に頭が冴えた目覚めだった。  妙ついでに夢も妙だったようだ。
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