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濡れ縁の周りには庭園が造られており、主や客の目を楽しませるような工夫がされている。しかし、そこから外縁を遮る築地塀の上には、遠方で上がる戦乱の煙が見えていた。
「はい、新九郎只今参着致しましてございます」
「よう参ってくれた。備中から遠路、骨折りだったのう」
「いえ、御本家の御威光もあり、途中の関所も難無く通る事が叶いましたので左程の骨折りはありませなんだ」
「左様か。それは何より」
「して、この度はどのようなご用件でございますか」
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