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「うむ、その様な縁に座っていては落ち着いて話す事も出来ぬな。まぁ茶を進ぜる故、一服どうじゃ」
「茶、でございますか。これは久しぶりの父上のお点前。是非馳走になりまする」
「ならばこちらじゃ。ついて参れ」
盛定がすっと立ち上がって新九郎を手招いた。
濡れ縁を歩く親子二人。その二人が幾つめかの角を曲がると茶室と呼ばれる八畳ほどの座敷に出た。
当時の茶室は広い。数多くの客人を招くこともある為なのだが、後世の狭い利休茶室とは趣を異にしている。
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