第1章

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ゆうりside ガチャリと鍵を開け、家に入る。疲れた。はぁ、と一つ息を吐き、靴を脱いだ。 「だだいまー」 僕の声に反応はなく、リビングに行くと彼はテーブルに突っ伏して寝ていた。またあんなに飲んで… コンビニで買った弁当が入った袋をテーブルの上に置いてから、スーツの上着とネクタイをハンガーにかけ、ワイシャツのボタンを一つ外す。 「ゆうと」 ぽんぽんと背中を叩き、眠っている彼を起こす。ゆうとの顔は五本も空いたビールのせいで真っ赤だった。 「…んぅ…?」 「起きて、ゆうと」 「…おかえり、ゆうり…」 「ただいま。ゆうと。一気にこんなに飲んじゃだめって言ったでしょ?ご飯も食べる前に飲んだら気分も悪くなるよ」 「…ごめんね、ゆうり…」 火照った身体でゆうとは僕に抱きついた。
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