恋をバックパックに詰めて

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バックパッカーの聖地、カオサン通り。 様々な国籍の旅人が、この通りに集結する安いゲストハウスに逗留し、日々を自分のペースで生きている。 異国で何もしない。 あんな贅沢な時間の使い方、年に1週間も休暇を取れない日本人には絶対出来ないと思う。 そのカオサン通りの出口と直角に交わるチャクラホン通りにバスは着いた。 荷物を降ろし、まずは何より腹ごしらえと目についた最寄りのマックに足を進めた。 「ワイ」という合唱のポーズをとっているドナルドが飾られており、いかにもタイらしい。 メニューは日本と一緒なのかな?と調べていると、後ろから急に声が聞こえた。 聞き慣れた日本語で。 「タイまできてマック?」
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