恋をバックパックに詰めて

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「あ、それなら・・あ・・でも」 「どうしたんです?」 「本当に屋台みたいなところだから・・女の子には向かないかなって・・僕はいつも行くんだけど・・」 「そこ行ってみたいです!そういうの食べてみたかったの!」 彼に連れられたその店はカオサンとは正反対の方向、チャオプラヤ川を越えたすぐのところにある屋台風の定食屋さんだった。 英語とタイ語で書かれたメニューから、彼は「おすすめ」といういくつかの料理を選んでくれた。 大降りのエビをカラリと炒めたクン・クラティアムとトムヤンクンスープを基調にココナッツミルクと鶏肉をあわせたトム・カー・カイという料理が間もなく運ばれてきた。 そしてグラスには、外気温と反比例するかのようにキンキンと冷やされたタイのビール「シンハー」を注ぎ、それを火照っていた体に流し込んでから初めて私達は自分たちの事を話し始めた。
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