第1章・失恋

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悠斗の心が私から離れてもしがみついていたのは、やっぱり好きだから。 加えて意地に近い気持ちもあった。 意地というのは自分自身に対してもだが、家族や友人など周りに対しても。 約五年前……。 彼と付き合い始めた時、みんなに反対された。 それは当然と言えば当然で――。 私は彼のために大学を中退したのだから。 悠斗と出会ったのは大学四年生の夏。 地元、仙台の大学に通っていたけれど、就職活動で行き詰まりイライラしていた時期だった。
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