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私は中学時代の友人の奈々に誘われ、アマチュアバンドのライブを観に行った。
「気分転換にもなるしー」と奈々にしつこく口説かれ、バンドなんてさほど興味もなかったけれど付き合いで出かけた。
そこで虜になってしまったのが、ボーカルの悠斗。
小さな薄暗いライブハウスでシャウトする悠斗は輝いていた。
キラキラした悠斗が別世界の人に見えた。
私は現実を忘れ、悠斗に魅了されていた。
すると途端に、真面目な大学生活や重苦しい就職活動、樹への恋心さえも私の中で色褪せていった。
自分の日常がつまらないものに感じた。
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