プロローグ

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「雪穂のところに瑠璃子から連絡なかった?」 「ううん全然。いなくなったって、どういうこと?」 「失踪したんだ……。突然で理由も分からない。ひょっとして雪穂なら知ってるかと思って電話したんだけど……」 瑠璃子は大学時代の親友だった。 宮本聡史、沢村瑠璃子、私、そしてもう一人、豊永樹(とよながいつき)の四人。 専攻もサークルも同じだった私たちは親しく、大学時代は四人で過ごす時間が大半だった。 「私はずっと連絡とってないから。樹も知らないの?」 「知らないよ。瑠璃子の家族も居場所が分からなくて、みんな心配してるんだ」
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