旅の基本は歩くこと

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「で…そのトウキョウって村に」 「東京はせめて街って言ってよ。すごくたくさんの人が住んでて、おっきな建物のたくさんある、大きな街なんだから。」 そんなに大きな街、やはり王都クロウェルドしか俺には心当たりが無い。 いや、むこうの大陸にある国の首都、メラーテルもかなり大きな街だった。 メラーテルから来たのか? 「海を渡ってきたのか?」 「わかんない。公園のマンホールにつまづいて、あ、転ぶ!って思ったらあの森にいたんだもん。」 さりげなく上目遣いでこっちを見るのをやめてほしい。 もしかすると、文献で見た《異世界》ってヤツかもしれない。 それとも異国から来た大嘘つき…って可能性も捨てきれない。 「その、トウキョウではモンスターは出ないの?」 「ねぇ、モンスターってなんで消えるの?」 俺は肩をすくめた。 「そういうものだから、かな。」 「ねぇ、モンスターって何?この世界には普通の動物はいないの?」 おかしな質問だと思って俺は笑う。 「モンスターはモンスターだし、普通の動物は普通の動物だよ。」 うららちゃんは納得がいっていないようだった。 「うららちゃん、この辺で今夜は休もうか。」 「野原じゃん!」
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