旅の基本は歩くこと

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不満があるみたいだけど、うららちゃんは輝く笑顔でごちそうさまと言って、ふたりぶんの食器を小川で洗ってくれた。 その間に俺は夜営場所に結界を張る。 夜は寝るに限る。 何人もで組んで旅をしているグループなんかだと、交代で夜営をするらしい。 でも俺は夜は寝ていたい派だ。 気がつけば辺りは大分暗くなってきた。 「何やってるのー?」 食器を洗うだけにしてはやたらと時間がかかっていた、うららちゃんが戻ってきた。 「鳴子を設置してる。」 「なるこ?何?」 「これ」 四ヶ所に杭を立て、紐を張ってある。 「もしも寝てる間にモンスターや獣が現れたら、起こしてくれる。」 『すごーい!』と言ってもらえるかと思えば、うららちゃんにこれの凄さはわかってもらえなかった。 「起こしてくれるだけなの?」 「更に鳴子の付属効果として、外側と内側に二重に結界を張ってくれる。」 どうだ。 「それって…凄いの?」 「凄いんだよ。かなりの安全を保障されるんだから。」 うららちゃんはふぅん、とわかったんだかわからなかったんだかよくわからない答えを返しただけだった。
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