292人が本棚に入れています
本棚に追加
次の瞬間、中心を貫かれ大きな声が上がる。
いやだ。ちゃんと加藤様の顔を見たい!
するとワンピースの視界だったのが急に開ける。
腕は相変わらず上で固定されたままだったけど。
「かとう・・さん」
ねだる様にキスをする。
噛みつかれるんじゃないかって位の勢いでキスが返ってきた。
「太朗だ」
「太朗さん・・太朗さん、太朗さん!」
馬鹿みたいに何度も名前を呼ぶ。
「で、お前は誰のものだ」
「太朗さんです」
「分かったら新藤なんかに隙を見せるな」
「隙なんて」
見せてません!と言おうかと思ったが物凄い目で睨まれて黙り込む。
「だいたい会議をきちんと聞いてないからこんな事になるんだ」
「知ってたんなら助けてくれてもいいじゃないですか!」
「お前が言ってくると思ったんだよ」
「え~~~だって、あんな怖い顔されたら聞きたい事も聞けないですよ」
「ああ?」
ほら、今も怖い顔。
イケメンが怖い顔すると迫力満点なんだから!
「それより無駄毛一本も俺の物って本当ですか?」
「嘘ついてどうする」
「それ、凄い言葉ですよね」
「なんならお前が吐きだす息も俺の物だ」
「太朗さん、独占欲の塊ですか?」
「今更。
だからよそ見するなよ」
「しませんよ」
だって、アナタのトリコですから。
fin
最初のコメントを投稿しよう!