第1章

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次の瞬間、中心を貫かれ大きな声が上がる。 いやだ。ちゃんと加藤様の顔を見たい! するとワンピースの視界だったのが急に開ける。 腕は相変わらず上で固定されたままだったけど。 「かとう・・さん」 ねだる様にキスをする。 噛みつかれるんじゃないかって位の勢いでキスが返ってきた。 「太朗だ」 「太朗さん・・太朗さん、太朗さん!」 馬鹿みたいに何度も名前を呼ぶ。 「で、お前は誰のものだ」 「太朗さんです」 「分かったら新藤なんかに隙を見せるな」 「隙なんて」 見せてません!と言おうかと思ったが物凄い目で睨まれて黙り込む。 「だいたい会議をきちんと聞いてないからこんな事になるんだ」 「知ってたんなら助けてくれてもいいじゃないですか!」 「お前が言ってくると思ったんだよ」 「え~~~だって、あんな怖い顔されたら聞きたい事も聞けないですよ」 「ああ?」 ほら、今も怖い顔。 イケメンが怖い顔すると迫力満点なんだから! 「それより無駄毛一本も俺の物って本当ですか?」 「嘘ついてどうする」 「それ、凄い言葉ですよね」 「なんならお前が吐きだす息も俺の物だ」 「太朗さん、独占欲の塊ですか?」 「今更。 だからよそ見するなよ」 「しませんよ」 だって、アナタのトリコですから。 fin
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