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その日から一姫はルチーアを看病することにしました。
毎日毎日一姫はルチーアが食べやすいようパンや野菜を小さくして食べさせました。おでこにのせた小さいタオルも毎日変えました。
そうして一姫が看病したおかげか一週間後ルチーアはみちがえるように元気になり、朝一姫が起きると透き通る羽で部屋の中を飛んでいました。
一姫はルチーアとあの野原に行きました。
花はまだ灰色でした。
一姫がかなしそうにしていると
「一姫ちゃん!見てて!!」
そう言ってルチーアが灰色の花のまわりを飛び始めました。
すると花は鮮やかな赤、黄色、白、ピンクに染まっていきました。
しかし花が色づくにつれルチーアは消えていきます。
「まって!ルチーア!」
一姫は必死にルチーアに言います。
「僕が消えるのは役目に戻るためなんだ。僕が一姫に見えたらまた花が灰色になってしまう。
大丈夫またきっと会えるよ!」
ルチーアは最後に笑顔を見せるとすっと一姫の前から消えてしまいました。
一姫は色づいた野原を悲しそうな目で見つめていました。
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