第七話

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渚はそこで一旦言葉を切った。 「やっぱりやめとく。私がいくつになってるかわかんないし。」 ふふ、と渚は笑った。 「約束するよ。だから、渚も一つだけ約束して欲しい。絶対に幸せになって。」 渚は泣き腫らした目を閉じ、頷いた。 「ありがとう…」 感謝の言葉をいくら言っても足りない。 そして、この罪悪感は彼女が本当に幸せを掴むまで消えない。 けれど、それでいい。 それを抱えて生きていくのが彼女への贖罪だから。 「バイバイ、櫻井くん。」 恋愛に無感情だった俺に、こんなにも沢山の感情をくれた。 愛情をくれた。 ── サヨナラ。 こんな厄介な俺の心を、唯一動かしたヒト。
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