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渚はそこで一旦言葉を切った。
「やっぱりやめとく。私がいくつになってるかわかんないし。」
ふふ、と渚は笑った。
「約束するよ。だから、渚も一つだけ約束して欲しい。絶対に幸せになって。」
渚は泣き腫らした目を閉じ、頷いた。
「ありがとう…」
感謝の言葉をいくら言っても足りない。
そして、この罪悪感は彼女が本当に幸せを掴むまで消えない。
けれど、それでいい。
それを抱えて生きていくのが彼女への贖罪だから。
「バイバイ、櫻井くん。」
恋愛に無感情だった俺に、こんなにも沢山の感情をくれた。
愛情をくれた。
── サヨナラ。
こんな厄介な俺の心を、唯一動かしたヒト。
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