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『you got a mail!』
日課であるパソコンのメールをチェックすると新着を知らせる通知音が鳴った。
件名はなし。
アドレスを確認してから本文を開く。
〝結婚しました。〟
そこには、たった一行の短い文字。
けれど、その文字に俺は心から祝福した。
あの日、あの海で、お互いが幸せになった時はメールで連絡をすることを約束した。
あれから、七年の月日が経っていた。
俺が果夏との結婚報告をしたのが、ほぼ一年前だったから自意識過剰な考えが浮かんでしまう。
渚は俺が幸せになるのを見届けてから、彼女も結婚を決めたのではないかと。
連絡方法は、このメールだけ。
この七年間で俺が送ったメールはたったの二通。
返信はしない決まり。
でもきっと。
今の俺がそうであるように、画面の向こうで渚もきっと微笑んでいてくれていたはず。
「お仕事中?」
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