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果夏が、書斎の扉から顔を半分だけ見せた。
椅子を半回転させ、「メールチェックだけね。」と言ってからパソコンをシャットダウンする。
すると、待ってました!とばかりに果夏は部屋へ飛び込んできた。
……おかしいな。果夏に尻尾が見える。
主人の帰りを待っていた犬のように、椅子に座っている俺に飛びつく。
「あぶな!」
あまりの勢いに後ろへ倒れそうになった。
「ごめーん。でも寂しかったんだもん。」
「よしよし。……それ何?」
果夏の手に一枚の葉書があることに気づき、問いかける。
「あ!そうそう。この人って結婚式に来てた人だよね?あの面白い人。」
葉書を受け取り、印字された文字と写真に吹き出した。
「ハハ!やっとまとまったか。」
そこには満面の笑みを浮かべるタキシード姿の高橋さんと、微妙な面持ちの矢野先輩がウェディングドレス姿で写っていた。
思えば俺ほどではなかったにしろ、この二人も紆余曲折あっただろうな、と思う。
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