灼熱の大地と襲われた姫君。

7/31
前へ
/780ページ
次へ
「・・・皆、武器を下ろせ。 そもそも、このベールの向こう側にいる以上、君達はまだ我らが領土内には立ち入ってないしな。」 真ん中の一際大きなトカゲさんが真っ先に槍を収める。 「しかし隊長っ!! あの悪夢のようなっ! 大量轢き逃げ不法侵入傷害拉致監禁強要詐欺欺瞞強奪犯の娘のようではありませんかっ!!これが黙っていられますかっ!!」 「いいから黙らんかっ!!あのミカオとやらの時もそれで怒らせてああなったのではないかっ!! ちょっとこいっ!!」 隊長さんが若いとおぼしきトカゲさんの首根っこ捕まえて引きずっていく。 「・・・父さん、何やらかした。」 「・・・俺、だいたい想像ついた。 ここで押し問答している内にキレて無理やり突破して多分群がる兵隊さん達みんなまとめて引きずり回して・・・。」 「ま、まさかそんな、あは、あはははは。」 引きつった笑みを浮かべるゆかり。 水のベールの向こうでは、 アノッ!アノッテンゲントッパオヤバカヤロウノムスメダゾッ!ナニカシタラコッチガヤバイダロウガッ!コウイウトキハウマクマルメンコデオヒキトリネガウンダヨ! ナ、ナルホド!ソウデスネ! などと言った隊長さんと部下とのやりとりが行われていて。 てゆーか、筒抜けだぞ。 天元突破親バカってなんだよ。ゆかりの危機の時のミカオじさんぐらいにしか使わねえよ。ああ、ならいいのか。 ・・・頭痛い。 「・・・今なんかふっと朝の登校時のいつもの光景思い出したよ。」 「・・・あれは親バカじゃないぞ。 あれは、ばかだ。」 「確かにね。」 「「はぁぁぁぁぁ~~。」」 互いに顔を見合わせ、深い深い溜め息を吐く。
/780ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3905人が本棚に入れています
本棚に追加