灼熱の大地と襲われた姫君。

9/31
前へ
/780ページ
次へ
「わっ!わかりましたっ!至急手配致します!しばしお待ちをっ!」 おお、隊長さんが折れた。 ツムグさんの強さってこっち側でも伝わってるんだな~。 バタバタと駆け回る兵隊さん達。伝令したり、色々忙しそうだ。 「珍しくツムグさん、怒りました?」 「ん?いや?怒ってないよ? ああ、今のはただの交渉テクニックだよ。フリさ、フリ。」 「へえ、隊長さん、完全に真に受けてますよ。ツムグさんってこっちでも有名人なんですか?」 「あ~、まぁね~。」 困ったような顔で頬をかくツムグさん。 「・・・私、わかった。 ツムグさん、エニシと一緒だったんだ!」 「ヴ・・・ドウシテソウモオウンデスカ?」 「だって同じ英雄の子だしさ。なんか似てるんだよ。二人は。 エニシもお化け学校入ってだいぶ穏やかになったけど、昔はやんちゃだったし。 きっとツムグさんも同じなんでしょ? そんでその頃の勇名だか悪名だかが知れ渡ってるんだ!だから脅しも効果抜群。」 「・・・ソンナコトハナイトオモイマス。」 沈黙の中、兵士達のガヤガヤ声が聞こえてくる。 「おいっ!急げっ!糸切りツムグが怒り出すぞっ!」 「お、俺の赤い糸、切られたくねえよっ!」 「馬鹿言えっ!お前に赤い糸はねえっ!」 「そっか!なら安心・・・っておおいっ!!」 スパァン!! おお、すげえ。トカゲさんならではの尻尾ツッコミだ! 「・・・ツムグさん、彼女できなくて、リア充が羨ましくて糸切りばかりしてたの?」 「・・・・・・・はい。リア充狩りが趣味でした。」 「さいってえ!」 ゆかりの一言に崩れ落ちるツムグさん。
/780ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3905人が本棚に入れています
本棚に追加