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がやがやがやがや。
あちらさんの準備が整ったのだろう。トカゲ隊長さんがまた新たに兵士達を連れて戻ってくる。
「お待たせしましたっ!
謁見の許可が下りましたので、どうぞこちらへっ!!」
水のベールが滝のように別れていき、道が開かれ、そこを通って中に入る。
何故か胸を張り、堂々と入っていくゆかりと、それに付き従うような俺とツムグさん。
・・・ゆかりって強いよな。
てゆーか、俺の周りの女の人ってみんな強いよな。
あ・・・でもアキラさんはなんか優しそうな雰囲気だし。
「ねえねえ、ツムグさん。
アキラさんって優しい?」
難しい顔で考え込んでいる。
「・・・三回に一回は優しい。
他は基本的に怖い。」
・・・何が三回なんだろう。
まぁやっぱりアキラさんも怖いのか。
・・・そういや姫様って怖いのかな。
隊長さんに連れられて、奥へ奥へと入っていく。
周りには相変わらずの平屋建ての家々のみ。
そして集落の一番奥、そこに姫様のお住まいはあり、その一際でかい建物へとぞろぞろ入っていく。
促されるままに奥の間へと通される。
なんか日本でいうところの襖みたいな扉の前で待たされる俺ら三人。
「こっちの国ではこういった感じで謁見するんだよ。」
「ほえ~。」
あ、なんかお爺さんっぽいトカゲさんが出てきた。所々ウロコが白茶けてるから、きっとお爺さんだろ。
あ、なんかこのお爺さんが姫様のお付きの人なんだろうな。
そういやゆかりの父ちゃん、この姫様、さらったんだよな・・・。
どんな姫様なんだろう。
「ごほんごほん。
イト姫様の~~、おな~り~~。」
すぅぅ。
開かれる襖。
その奥に鎮座していたのは・・・。
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