灼熱の大地と襲われた姫君。

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「静まれぃっ!」 「静まれぃっ!」 両脇にトカゲ兵を連れ、後ろにトカゲ兵集団を従えて登場したのはツムグさん。 へ?なんで? 「イト姫もエニシ君達も静まれぃっ!!」 どぐしゃ。 力が抜けてまたつぶされる。 「あいたたた・・・。 なんだい、うちの兵士まで連れて。 ・・・そういやあんた、ツムグ。 あんた確か北の王子だったっけ?」 ティラノが身を起こしながら問う。 「いかにもっ!我こそは北の第一王位継承者ツムグであるっ!」 「皆の者、頭がたか~い!」 トカゲ兵隊長さんの一喝に思わず正座するトカゲ兵士さん達。 今の内だ。 ずりずり、ずりずり。 「こ、こらっ!股の間で動くなっ!」 知るか、ティラノさんの股だか尻だかわからんところを抜けて、やっとこさ抜け出す。 「南の、イト姫様っ!私達はあなた方の銀月治療をしにまいったのですっ!! そのお怒り、銀月治療に勤しむということでお納めくださいっ!」 「・・・ま、まぁ私はもうすっきりしたからいいけどさ。 だけど、そこの小娘がまだ牙向いてるんだけど?」 ティラノが小指で指差した方には文字通り八重歯を剥く、ゆかり。 「ゆかりちゃん!いい加減にしなさいっ! 売られた喧嘩だか売った喧嘩だか知らないけど、まだ続けるって言うのなら・・・。 エニシ君がもっと酷い目に合うぞっ!!」 「そうだそうだ~~! って俺っ!?」 「いいかっ!ゆかりちゃん!君がまだ暴れるというのなら俺は常にエニシ君を盾にし続け逃げ回るっ!! それでもいいのかっ!!」 「いや、よくねえよっ!!」 「がるるるる・・・。 ・・・ふぅ。 いきなり攻撃してくるそっちが悪いんだからねっ!」 おお、やっと戦闘モード抜け出したか。 それでもなお頭下げないのがゆかりらしいけど。 ・・・つーか、ツムグさん。 初っ端逃げて、ある程度バトらせておいてタイミングみて入ってきやがったな。 絶対トカゲ隊長さんと打ち合わせしてる。これ絶対そうだ。 僕がこの場は収めるから皆俺の言うとおりに動いてとかなんとか言ったんだ。 ずっりぃっ!大人ずりいっ!!
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