灼熱の大地と襲われた姫君。

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その後俺達は姫様のいた建物の地下へと連れて行かれた。 まぁすでに姫様とゆかりのバトルで建物自体は消し飛んでいるが、隊長さんのぶっちゃけ話によると、姫様すぐキレるから謁見専用建物として上辺だけ作ってある建物だったとのこと。 隊長さんやツムグさんに連れられ、地下の入り口をくぐる。 「よいしょっと。」ぼふん。 なんか背後で物音。姫様か? ・・・誰? 振り向いた先には美人さん。なんか耳が尖ってて、胸と股間がウロコに覆われている変な格好の美人さん。 「なんだ、小僧?」 「・・・そ、その声・・・ティラノさんっ!?」 「ティラノって誰だ。私はイトだぞ。」 腰に手を当てふんぞり返る美人さん。 「えっ!?えっ!?えっ!?だってさっきの姫様、ティラノ並みにでむにゃむにゃ、サイズだったのに! なんでっ!?人間サイズっ!?」 「ば~か。私はハーフなんだよ。」 ぽふぽふ。 俺が驚くのに構わず、頭を軽く叩き俺を抜いて階段を降りていってしまう。 「は、ハーフっ!? えっ!?てことはトカゲの母ちゃんか父ちゃんかと人間の父ちゃんか母ちゃんってことかっ!?」 慌てて追いすがるも無視してツムグさんに並んでしまうイト姫。 「・・・人間の少年。 イト姫はな。我ら爬虫人の中でもレア種である竜人族とウンディーネ族との混血なのだ。」 後ろからトカゲ兵士さん。 「竜人族? そんなんあるんすか?」 「うむ。我等が爬虫人族は多種多様でな。 トカゲ族、蛇族、ワニ族、カメ族、サラマン族・・・。 その中でも取り分け珍しい種族が竜人族なのだよ。」 「へええ~。爬虫人の人達ってトカゲさんばっかりだと思ってた。」 「・・・まぁそれも無理はないだろう。地上で普通の人間達のような生活をするトカゲ族のほうが爬虫人全体で言えば変わり者なのだ。 基本的にその他の種族は群れること、他種族と触れ合うことを好まないのでな。 それゆえ必然的に爬虫人といえば、トカゲ族とされやすいのだよ。」
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