灼熱の大地と襲われた姫君。

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「ほえ~。 それでなんで姫様、変身したんすかっ!? つか、どっちが本当の姿なの?」 「どちらも本当の姿だ。 竜人族という種族はそもそもからして伝説上の種族。我もわからんことが多いが、御伽噺によると竜人族というものは人と竜、二つの力、二つの姿を併せ持つ存在らしい。 かくいう我も我らも姫様も皆よくわかっていないのだよ。姫様のことは。」 「ふ~ん。 ・・・そんでそういやさ。ここトカゲさん達メインの居住地でしょ? なんで姫様が姫様なんすか?」 「単純に強いからだ。まぁその強さが発揮される前から我らのシンボル的な意味合いのお方ではあったがね。」 長い階段を下り、両サイドに扉が均等に並ぶ長い廊下を抜けて、最後に通されたのはでっかい空間。大広間っぽい部屋に30人以上は座れるてあろうでっかいテーブル。 兵士さんに促されるがままに、イスに座る。 姫様はお尻ふりふりしながら奥の扉に引っ込んでいった。申し訳程度にお尻に残った尻尾が可愛い。 まぁ一応仮にもティラノでも姫様だ。なんかお色直しでもしてくるのだろう。 座して待つ。 しばらくして。 奥の扉が開かれ、 ガラガラガラガラ。 なんかカート押して姫様出てきたんだけど。 お色直しとかじゃなかったのか? カートを開くとそこには彩りの料理の数々。乱暴にテーブルの上に並べられていく。 ひとしきり配り終える姫様。 「ふぅ。とりあえず直ぐに用意できた食事はこれだけだ。 ツムグ達、これで足りるか?」 「ああ、僕らは充分だよ。むしろ食べきれないぐらいだ。 イト姫も一緒に食べるんだろ?」 「勿論っ!私の分も考えてこの量にしたんだ。ツムグに料理食べてもらえるのなんて本当久しぶりだからな~。」 あ、あれ?イト姫、俺達とツムグさんとで対応違いすぎね? 「はっはっは。そうだね、一年ぶりぐらいかな。そういえば前この国を訪れた時も俺のお付きの娘と喧嘩してたっけ、イト姫。」 「ばっ、ばかっ!そんな昔のこと!忘れたっ!!」 お、おおっ!? 顔真っ赤だぞ。 もしかして・・・。
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