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「はぁん、なるほどねぇ~、それでいきなり喧嘩ふっかけてきたわけだ~。ほ~ん。」
ゆかりの目がなんか妖しい輝きを放っている。
「・・・なぁ、もしかしてツムグさんって留学中、イト姫様の料理の先生か何かしてたのかな?」
「へ?なんで?」
「いやだって、ほら久しぶりに食べてもらえるとか言ってたからさ。
料理趣味なのかね?二人とも。」
「・・・ばか。」
深い深い溜め息と共に吐き出すように呟くゆかり。ばかとはなんだばかとは。失礼な。
そして四人での食事が始まる。
とは言っても俺とゆかりは黙々と食べているだけだし、ツムグさんは事の顛末やこれからの事を姫様と話している。なんか俺らだけ蚊帳の外の気分。
「あ、そうだ。ゆかりの父ちゃんのミカオさん。結局具体的に何したんすか?」
ピキーン。
空気が凍りつく。
あ、あれ?俺また地雷踏んだ?
「・・・そうか。そういえばそこの小娘、お前は奴の娘であったな。」
「な、なによ。親子でも責任までは取らないわよ?」
「いや。
やはり親に似て強いのだなと思っただけだ。
事の顛末はこうだ。
まずお前の父親、ミカオがこの地にいきなり飛び込んできた。
まぁ奴からすれば色々端折っただけなのだろうが、兵士からすればいきなり水陣壁をぶち破って飛び込んできた不審者だ。当然皆警戒し、荒れる。
そして大立ち回りだよ。なんでもお前たちのことを探して目の色変えて探し回ったらしいからな。兵士達と戦いながらの街中探索。そりゃまた民衆も混乱。兵士達も大混乱だ。
そこに私が乱入して、で、私が地位のあるものと認識した彼が私を連れて、一旦この地を離れたのだ。
兵士達がいて、街があるとなればお互い荒事は避けたかったしな。
その後は勝負さ。手合わせだ。
私に勝てれば言うことを聞いてやると言って。
そして・・・。
負けた。
で、奴が神から聞いた情報を受け取り、その見返りに部下に命じ、改めて街中をお前がきていないか探し回ったのだよ。
もちろん知っての通り、お前は見つからなかったがね。
そして彼はまた北に向かい、旅立ったというわけだ。」
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