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それは、私が中2の時。
偶然だった。
「あと1年ですね。義務教育が終わったら、愛に言わなきゃいけないのね……」
「しょうがないことだ。最初から決めてたんだから。逃すと、ずっと言えないんだぞ」
とても暑い、7月の夜。
喉の渇きを覚えた私は、寝床から起き上がり、飲み物を求めて2階の自室から1階へ下りた。
父と母が、リビングで話をしていた。
私の話……?
「そうね……。話はしなくちゃ。はぁ……、愛は、どんどん似てくるわ。大きくなったら、きっと塔子(とうこ)そっくりになる」
「そうだな。娘っていうのは、あんなに母親に似るものなんだな。愛は、美人に育った」
なにを言ってるんだろう……。
塔子って誰?母親に……、って?
母の名前は、それじゃない。
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