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「お仕事サボって遊んでばっかりだから、神様に引き離されちゃったんでしょ?ひどいよね。1年に1回しか会えないなんて。寂しいね」
いつが本当の七夕だったとしても、確か織姫と彦星の伝説はこんなだったはずだ。
私だったら……堪えられない。
きっと心が壊れてしまう。
本当に好きな人なら、毎日会っていたって足りない。
「そうか?」
「そうだよ。好きなら、毎日会いたいよ……」
「……」
この時、返答に困った純が目をそらしたのが分かったけれど、私は気づかないふりをした。
好き合っているのに、年に一度しか会えない恋人と、
毎日会っていても、結ばれることのない男女。
どちらが不幸かなんて、決まってる。
私は、そばにいれれば、それでいい。
一日でも長く、この時を。
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