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描いていた未来予想図は跡形もなく消えてしまった。
理想と現実は違う。その区別がつかない程もう子供ではない。
だけど、別れの訪れははあまりにも突然で呆気な過ぎた。
「主任のことを見てくれている人は大勢いるじゃないですか。その人たちと恋愛した方がよっぽど楽しいと思います…」
もう、一から誰かと付き合ったり将来を考えたりする気力は私に残っていない。
キャリアウーマンでも何でもいい。一生一人でいたってかまわない。
「だから…」
『もう構わないでください』と言葉を繋げようとした瞬間だった。
主任は真っ直ぐ私を見つめたまま私の言葉を遮り言った。
「分かった。そこまで言うんだったら…」
主任の瞳には、思わず息を呑むほどの威圧感が光っていて、その瞳から私は目を逸らせなくなった。
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