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「全然平気。お疲れ様」
「ありがとうございます。主任も営業回りお疲れ様です」
「ありがとう」
亜紀と新村主任のやり取りを聞きながら、私はジョッキに入ったビールをちびちび飲んでいた。
「伊藤さんもビールでいい?」
「はい!」
「すみません、ビール一つお願いします。あと、焼き鳥盛り合わせも」
温かい店内に響くのは、最近流行りのアイドルグループの歌。
リズムが良くて賑やかな曲調は、騒がしい店の雰囲気によく合っていた。
「ところで、今日は何の集まりだったの?」
店員さんに注文を終えた主任が、ビールを飲みながら私たちに向かって聞いた。
亜紀は気まずそうにチラッと私の方を見る。
嘘をつくことでもないから、私は正直に答えた。
「失恋しちゃったんで、亜紀が慰めに誘ってくれたんです」
「ゲホッゲホッ…」
瞬間、主任は飲んでいたビールを気管に詰まらせたようで、激しく咳き込み出した。
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