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「ごめん…。そんなつもりじゃなかったんだ…。ごめん、明…。泣かないで…」
主任は右手の人差し指で、次から次へと溢れ出す私の涙を拭っていく。
しかし、主任の手が追いつかない程私の涙は止めどなく溢れだした。
「本当にごめんな…」
私の涙が止まったのは、それからしばらく経った頃だった。
いつも強気な主任はシュンと肩を落として私に謝り続ける。
「いえ…。私も急に泣いたりしてすみませんでした…」
「泣かせたことは謝る。でも、さっき言ったことは本気…。今すぐとは言はないから、俺のこと考えてほしい」
「ごめんなさい…。無理です」
私ははっきりと断った。
もう恋なんてしない。私はそう昨日誓ったから。
「主任が嫌とかじゃないんです。ただ、私は本当にもう恋なんてしたくないんです…」
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