突然の告白

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私は、あれから何か理由をつけて断るという手も考えけど、亜紀が気遣って誘ってくれたお酒の席を新村主任くらいの理由で断るのは少々気が引けてやめた。 会社を出ると、凍りつくような風がピューッと吹いて一瞬にして体温を奪われた。 ブルブルと身震いをして、一つ息を吐くと、同時に白い煙が口から吐き出され、それはものの数秒で辺りの冷たい空気に溶けていった。 そろそろ冬が来るんだなと一人冬の訪れを実感しながら、カッカッとヒールの音を響かせて、私は駅へ歩き出した。
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