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次の日の朝。
重い瞼を開けると、まだ寝ぼけ眼に見慣れた天井が映った。
どうやって帰ってきたのか覚えていないが、私は着替えを済ませてしっかりベッドで寝ていたようだ。
何だ、やっぱり新村主任の告白は夢だったんだ。と喜んだのも束の間。
時間を確認するために開いたスマホにメールの受信を知らせる通知が一件あり、迷わずそれを開くと亜紀から送信されたもので、『昨日はごめん。新村主任と二人きりで大丈夫だった?』と表示された。
じわりじわりと昨日のことが鮮明に思い出されていく。
『絶対、俺に惚れさせてみせる』
そう言った主任の真剣な顔が。去り際私の頭を撫でていった大きな手の感触が。
記憶が綺麗に蘇り、昨日の告白は夢じゃなかったんだと実感した。
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