距離

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「五年も付き合ってれば、簡単には忘れられないものよ?」 「うん…。そうだね…」 二十代の半分を一緒に過ごした相手。 十代の頃の恋愛とは全く違う重さがあった。 当然、結婚を意識してた。このまま事が進んで和也と家庭を築けるものだと確信していた。 和也本人に言ったことはないけど、和也は私の胸中を薄ら察していて、重荷に感じていたのかもしれない。 「時間が経てば、和也さんのことも思い出にできるよ。それまでは少し辛いと思うけど…」 「うん…」 ずっとこのままの状態で良い訳はないと思ってる。 和也のことはゆっくり時間をかけて忘れていきたい…。 酷い振られ方をしたというのに、まだ彼が心の中から出て行かないなんて、呆れちゃう…。 でも、出て行ってくれないものは仕方ない。 少しずつ、少しずつ忘れる努力をしよう。
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