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和也と再会ってしまったあの日から早いもので、半月が過ぎた頃だった。
「良かった。晴れた…」
私は目覚めてすぐ開けたカーテンから空を見上げた。
眩しい陽ざしに目を細めながら、上を向くと綺麗な青空が一面に広がっていた。
「ふぅ…」
思わず安堵のため息が零れる。
ふと時計に目をやると、朝の八時。
会社が休みの土曜日に、何故早く起きたか…。
今日は新村主任と会う約束をした日だからだ。
待ち合わせした時間は十一時。まだ時間に余裕がある。
私は寝癖で跳ねている髪の毛に丁寧にアイロンをして髪型を整えた。
鏡台に並べられたお化粧品を順番に手に取り、念入りにそれを施した。
よし…バッチリ。
気合い十分だと思われても恥ずかしいから、派手な服装にならないように紺色のスカートと白いブラウスに黒いコートを羽織り、ピンクベージュのパンプスを合わせた。
もう一度時計を見ると、待ち合わせの丁度三十分前だった。
やばい、もう家を出なきゃ間に合わない。
長い支度をし終え、慌ただしく家を後にした。
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