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待ち合わせ場所に着くと、既に新村主任の姿があった。
腕時計を見ると、待ち合わせ時間を五分も過ぎたところだった。
「すみません!遅れちゃいました!」
スマホをいじっていた主任に私は小走りで近づいていく。
「いや、俺も今来たところだから」
カジュアルな格好の主任は、いつも会社で見てるスーツ姿と全然印象が違った。
「今日の明は一段と可愛いね」
「えっ…?」
「何か新鮮だな。明がそういう格好してるの。ほら、会社ではいつもスーツだし」
「そうですか?」
「うん。すごく可愛いよ」
主任があまりにもストレートな言葉を言うものだから、照れくさくて私は俯いた。
「じゃあ、とりあえず行こうか?どこ行きたいとかある?」
「いえ。特には」
「んーじゃあ、ベタに映画とか見る?」
「良いですね。そうしましょうか」
私が頷くと、主任は微笑んで私の手をぎゅっと握って歩き出した。
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