六原館

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わたしは、突然の出来事で声を出せなかった。 遮那王が抱き付いて、わたしの胸を撫で回す。 わたしの身体が火照ってくる。 首筋に息を吹き掛けて…耳たぶを甘噛みしてくる。 恰かもビデオを一時停止にされたかのような、わたしの身体が硬直して、ここだけ時間が止まった感覚に襲われていた。 そして、お互い抱き合うような体勢になり、わたしの背中を撫でていた。 ひと撫でされるごとに身体のたがが外されていく感覚、だんだん異世界に吸い込まれていく、そんな感覚になっていった。 どのくらいの時間だろうか?わたしは長くながく感じた。 それから遮那王が… 「どう、 キスしょうか?」 と耳元で囁いた。 わたしの返事も待たずに、唇に遮那王の唇が重なった。… ☆☆
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