海の見える公園で

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海の見える公園で

あの頃の私は単純に幸せだった。 思ってみれば理由もなく漠然とした自信だったけれど、ずっと幸せが続いていくものだと信じて疑いもしなかった。 だけど、幸せと絶望はすぐ背中合わせで存在していたんだ。 ―――ある夏の海の記憶。 懐古する私の中で、心地よく鳴り響く潮騒はいつでもその情景を色鮮やかに蘇らせてくれる。 私の思い出のアルバム・・・。 燦々と照り付ける太陽が少年少女の肌を焦がし、その暑い陽射しがジリジリと私の記憶の一ページを焼き付けていく。 その想い出の一枚一枚をめくり返してみては、青春していたあの頃に感慨深くなる。 そう・・・ あの日、彼と海の見える公園で―――。
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