俺様、セバスチャン。

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「良い訳ないでしょ。幼稚園児じゃないのよ。犬は犬。人は人って区別ができないでどうするの?」 「区別くらいできてると思うけどな」 「じゃあ、何で五年生になったのに友達って言うのよ」 「さぁね。幼稚園の頃にメルヘンいっぱいの絵本ばっかり読み聞かせしていたからじゃない?」 「あれは、情操教育に良いって聞いたから・・・」 「ハイハイ。ママはマコトが生まれてからいっつもそう。テレビや雑誌に『天才になる』て出ればマコトにやらせてきたわ。その癖、すぐに結果が出ないと平気で取り上げたりして」 「何が言いたいのよ」 「べっつに~。ママがやってきた結果だから、とやかく言っても無駄なんじゃない?」  ここ大原家では、ガミガミと怒るママさんに決まってアカリが攻撃する。  どういう訳か仲が悪い。  まぁ、いつだってマコトの事で揉めているんだから、二人ともマコトが大好きなんだろう。
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