俺様、セバスチャン。

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「俺達の言葉が分かるなら、理解してくれるよな?」  この時の俺様といえば、恐る恐る差し出された手から逃げ出す気にもなれなかった。  一度でも子供の時代があった奴なら分かるだろう?  子供にとって、母の存在は絶対だ。  世の中がどんなに正しいと選択した事であろうと、母に否定されてしまえば全て違うと思ってしまう。  大人になった今ならば、それを否定し逃げ回っただろうが、母に俺様が生まれたのは何かの間違いだとまで言われては、飼い主どもの選択を受け入れるしかなかった。 『本当に気味が悪い。お前のような子はさっさとこの家から出ておいき!』  飼い主どもに愛されている。  自分は大丈夫だと悟った母は俺様に酷い言葉を吐いて見送った。  他の兄弟には『たくさん可愛がって貰うのよ』なんて言っていた癖に・・・。
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