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俺様は体がすっぽりと隠れるくらいの発泡スチロールの箱に入れられて、車の後ろに乗せられた。
最初はどこかの空き地か山奥に捨てられると思っていた。
それならば、野鼠でも土竜でも探して食べればなんとかなるだろう・・・とテレビで得た知識を巡らせた。
そうしているうちに、何処かの飼い犬になれば良い。
俺様は由緒正しき血統書付きの犬だ。
人間の言葉を話しさえしなければ、誰だってこの風貌に感激し受け入れてくれるだろう。
そんな日を夢見て生きていけば良い。
だかしかし、その考えは下ろされた場所により、有り得ないのだと気付かされた。
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