俺様、セバスチャン。

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「君を保健所に引き渡すのも考えた。けどね、君のような犬が生まれたとなっては、君の母親や兄弟達も解剖や実験に使われてしまうだろう。君にはすまないが、君の母親とは長い付き合いだ。君一人の為に俺達は大切な家族を手放したくはない」  山奥には違いない。  多分、余所の県なのだろう。  とても長い間、車に揺られていた。 「このまま死ねば、誰もあなたが人の言葉を話せる犬だなんて思わずに葬ってくれるわ。だから、許してね」  一体、何を許せというのだろう?  こんなやり方をされるぐらいならば、一掃のことその手で殺してその辺に埋めて貰えた方が有り難い。  木でできた箱でもなく、段ボールでできた箱でもなく、発泡スチロールの箱にした。  万が一、途中で壊れた時、俺様が泳いで人間の目につき、全てを話せないようにと考えての事だ。
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