第1章

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かと言って自分ももちろん男である以上、性欲もある ――…男に抱かれてみたい でも、カミングアウトをする勇気もなく… そんな時、たまたまネットで見つけたのが 男性専用出張ホスト ―寂しいあなたを慰めます― なんて、陳腐なセリフに苦笑しながらも目を背ける事が出来なかった このままだと一生、他人の温もりを知らずに過ごすかもしれない… そんな虚しい人生はイヤだな…なんて だから、これに賭けてみたんだ 自分が変わる事が出来るチャンスかもしれないって… 緊張しながら持った受話器の手は少し震えている 電話に出た相手は、優しく落ち着いた声で安心出来た 話しの様子で初心者だと気づいたようで、丁寧に料金やシステムの説明をしてくれて そして、待ち合わせの場所を出張先の仙台に決めて電話を切った たまたま今日は金曜日で明日は会社も休み 多少、体に支障が出ても土日で回復する事が出来るだろうと…変に考え過ぎる自分に自嘲気味に笑った  
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