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俺の足を挟むようにして、逃がさないと言わんばかりに俺を見つめた
その強い瞳に
――…逃げられない
本能的にそう感じる
しばらく何も言えずに俯いていると、先に沈黙を破ったのは相手だった
「たしか亀梨…だったよな?」
その声に顔を上げる
「お前がこういう趣味とは思わなかったよ」
『…なんで赤西さんがこんな事してるんですか?』
そう、彼はこんな事をする必要はない人間のはずだ
同じ会社でも部署は違うが、お互いに顔は知っている
彼は優秀で将来も有望な人材だ
顔も美形で、背も高く抜群なスタイルをしている
これで女が放っておくはずはない
こんな出張ホストなんて…する必要はないはずなのに…
赤西さんは煙草を吸いながら答えた
「俺の場合は…趣味と実益を兼ねて…?」
趣味って……
「何でそんな驚いてんの?
お前もそうだろ?」
――…何も言えねぇ
って、こういう事を言うんだろうな…なんて、どこか客観的に考えている自分がいて…
ただぼんやりと、煙を吐き出しベッドサイドにある灰皿に煙草を押しつけている赤西さんを見つめていた
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