第1章

6/21
前へ
/22ページ
次へ
こちらに向き直った赤西さんが顔を近づけ、至近距離から俺の目を見て 色っぽく口角を上げ…ゾクッとするかすれた声で囁く 「俺じゃ不満……?」 そんな目で見つめられたら無駄にドキドキするじゃん でも…、相手は赤西さん これからも会社で会う事になる 何とか理由を付けて帰ってもらった方がいいよな…? 「普通なら気に入らなければチェンジも可能だけど、今回は遠出だからムリだな それに…」 赤西さんは続けて 「どうせお互いの趣味もバレちまってるんだし? ここで何も無しで帰ったところで一緒じゃねぇ?」 ――確かにそれもそうだ 今断っても、次にまたこんな事を申し込む勇気もないかもしれない… そしたら、また悶々と悩み続ける事になるし… 悩みに悩んだ末… 『わかりました。 でも俺、何もかも初めてで…何をどうすればいいかとか判らないんですけど…』 赤西さんはフッと笑って 「何もかも、俺が教えてやるよ…」 低い声でそういいながら、更に顔を近づけて唇をそっと塞いだ 触れただけなのにビクッとする躯 どうしたらいいのか判らず目を開き赤西さんを見る  
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

49人が本棚に入れています
本棚に追加