1790人が本棚に入れています
本棚に追加
/163ページ
それなら、一度くらいは勝負に出てみてもいいかもしれない。
…………けど。
ジッと笹原くんを見つめていると、僕が何か言いたい事があると悟ったらしい笹原くんが、『ん?』という表情を見せる。
「……………昨日みたいな、セクハラをしない?」
「………」
僕の問い掛けに、笹原くんは少し呆れた表情を浮かべる。
いや、だって、そこは重要だろう。
そこは、ハッキリしておかないと。
「………人が真剣な話をしている時に」
「これだって、十分に真剣な話だ!少なくとも、僕にとっては!」
こちら側も真剣だという事を、強調しながら笹原くんに詰め寄る。
「そう言うからには、『僕に手は出さない』という解釈で合っているんだな?」
すると、笹原くんは短い溜息を吐いた。
「………それは構いません」
よし!
約束させたぞ!!
約束させてしまえば、もう、こちらの…。
「手を出さずとも、あなたの方から強請らせてみせますよ」
「……………へ?」
さらりと爆弾発言をした笹原くんに、一瞬、思考回路が停止した。
強請る?
笹原くんに?
………僕…から?
最初のコメントを投稿しよう!