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「ねっ、強請る訳がないだろう!!!!あり得ない!!そんな事は、断じてあり得ない!!!!」
大声を出した途端、痛みが身体中を駆け抜け、うぅっと唸って縮こまった。
痛みと必死に戦っている最中の僕に、笹原くんがスッと顔を寄せてきて、頭上から囁いてくる。
「あなたを落とすには、二年も掛かりませんよ。昨日の身体の悦び……まだ覚えているでしょう?身体の隅々まで……それこそ、骨の髄まで」
「……」
妖しく囁かれ、身体がゾクリと竦んだ。
「なにせ、私達は、とても相性がいいですからね」
クスリと蠱惑的な微笑を、吐息交じりに耳元でされると、胸の奥底が……身体の芯が、堪らなくジリジリする。
………じゃない!!!!
そうじゃない!!!!
「お友達は、そんな事は言わない!!」
僕と笹原くんは、『お友達』からの筈だ。
そんな破廉恥極まりない事を言うような『お友達』、却下だ!却下!!
「だから、僕から…ね、強請るとか、あり得ないから!お友達は、そんな事しないし、言わない!」
「そういう事にしておきます」
余裕あり気にサラリと言われてしまい、何だか、こちらの方が悔しくなってくる。
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