第5章 ミツバチと王様

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しなやかな白い指。 桜貝のような爪が そっと僕の襟元を辿る。 「なるほど……」 だから彼はいつもぬかりなく 自分の手入れをしてるんだ。 「本当に良くなった――グッとくるよ」 及第点の生徒の仕上がりに 満足げに微笑んだのも束の間。 「――あとはドレスとガラスの靴が必要だな」 僕の着衣を見まわした和樹は 物言いたげに片眉を上げる。
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