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「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」
すぐに
彼の行きつけだというサロンに着いた。
開店前だと言うのにスタッフ総出で
にこやかに出迎えてくれるのは――。
「天宮様、お友達をご紹介して下さってありがとうございます」
ひとえに彼が
天宮家の坊ちゃんだからだ。
「友達なんかじゃないよ――僕の生徒だ」
当の和樹は軽い調子でのたまうと
待合い席のソファーに身を投げた。
「またご冗談を――」
と――。
「どうぞ、こちらへ」
とびきり美人のアシスタントが
ケープを手に僕を手招きする。
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