第5章 ミツバチと王様

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「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」 すぐに 彼の行きつけだというサロンに着いた。 開店前だと言うのにスタッフ総出で にこやかに出迎えてくれるのは――。 「天宮様、お友達をご紹介して下さってありがとうございます」 ひとえに彼が 天宮家の坊ちゃんだからだ。 「友達なんかじゃないよ――僕の生徒だ」 当の和樹は軽い調子でのたまうと 待合い席のソファーに身を投げた。 「またご冗談を――」 と――。 「どうぞ、こちらへ」 とびきり美人のアシスタントが ケープを手に僕を手招きする。
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