第5章 ミツバチと王様

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そして。 「さあ、仕上がった」 精神的な変化と 時を同じくして――。 「これって……」 鏡に映るのは 今まで知らなかった自分の姿。 「彼を相手にするなら、今までのうぶなお坊ちゃんのまんまじゃダメだ」 形よく整えられた眉。 目元に施された微かなシャドウ。 「気に入らない?」 「いや……てゆうか……」 流行りのカラーで染められた髪は 奔放そうにゆるくうねって気だるげだ。 「まあ、君が気に入るかどうかなんて、この際問題じゃない」 そうだ。 問題は白河さんが気に入るかどうか――。
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